英語の文章や日常英会話の中で、こんな二つのフレーズに出会ったことはありませんか?
・Who did you speak to?
・To whom did you speak?
どちらも一見同じ様に見えますが、前置詞「to」の位置が全く異なっています。この二つの違いは一体何なのでしょうか?
この記事では、「To whom did you speak?」にて使われている「前置詞残留現象」と呼ばれる現象と、「Who did you speak to?」にて使われている「Pied-piping」と呼ばれる現象について解説していきます。
前置詞残留現象とは
〔前置詞+名詞〕の形が一般的ですが、英語の構文上、前置詞が取り残されている現象があります。
この現象を「前置詞残留現象」と読んでいます。
早速以下の例文を参考にしながら、「前置詞残留現象」が起こる三つの場合について確認してみましょう。
話題化 ー名詞を文頭に移動させて、その名詞を話題とする構文ー
・Ashley, Maki is looking for.
(アシュリーはマキが探している→マキが探しているのはアシュリー)
疑問化 ー名詞を疑問詞に変えて、疑問文を作る構文ー
・Who did you speak to?
(誰と話していたの?)
関係化 ー名詞を関係代名詞と置き換えてできる関係節の構文ー
・The person who you are looking for.
(あなたが探していた人)
Pied-pipingとは
節の最後にある前置詞を関係代名詞や疑問代名詞の直前に置くことがあります。
この現象を「Pied-piping=先導」と読んでいます。
こちらも例文を確認してみましょう。
・To whom are you talking?
(誰と話しているの?)
・That is the purpose for which the film was made.
(それが映画が書かれた目的です)
またこの名前を聞くと、「Pied piper」を連想される方もいるのではないでしょうか?
実はこちら「ハーメルンの笛吹き男」というドイツの昔話から来ており、最初の例文の場合では、Who are you talking to? の前置詞 to が whom (ハーメルンの笛吹き男)に先導された、といったような意味になります。気になる方は是非詳しい昔話を調べてみてみると面白いかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたか?今回は「前置詞残留現象」と「Pied-piping」についてご紹介いたしました。
難しく感じる方もいらっしゃるかと思いますが、実はネイティブスピーカーの中でも、特に日常会話で混同して使っている人もいるようです。特にフォーマルな文章を書く際は、上記を頭の片隅に入れて文章を組み立ててみてはいかがでしょうか。