今回は、なかなか意識しないと違いが見えてこない関係代名詞「that」と「which」の違いについてご紹介いたします。

 

関係代名詞の文法ルールとしては、

人=Who

物事=Which

人/物事=That

となりますが、日常会話では「that」と「which」どちらを使っても問題はありません。

しかし、試験やフォーマルな状況で使う場合は、正しい使い分け方を知っておく必要があります。

 

まず、覚えておいていただきたいことは、関係代名詞には、「制限用法」「非制限用法」の2つの用法があるということです。

 

制限用法

制限用法は、置き換える名詞の意味を限定し、文章の一部となります。

制限用法が使われている場合と、そうでない場合の文では意味が異なります。

それでは、例文を見てみましょう。

 

I bought a new book that was written by Michel.

私は、マイケルが書いた新しい本を買いました。

 

ここでは、「I bought a new book」が先行詞、「that was written by Michel」が関係代名詞節になります。

先行詞とは、不特定の語句のことで、関係代名詞節に修飾されることで何を指しているか特定されます。

「book」に続く文「that was written by Michel」は文章の一部となり、このように「that」が主語として使われている場合、この「that」は省略することはできません。

このような制限用法では、基本的に「that」が使われます。

 

非制限用法

一方、非制限用法とは、名詞に関する情報を追加し、文の意味を変えずにその名詞を文章から省略することができます。

非制限用法では「which」のみ使うことができます。

 

This book, which I bought yesterday, is very interesting.

この本(私が昨日買った)は、とても面白いです。

 

この例文では、関係代名詞節「which I bought yesterday」は、先行詞である「This book」の追加情報なので、無くても意味は通じます。

このような非制限用法では、「that」ではなく「which」を使います。

また、この場合、先行詞と関係代名詞の間にコンマ「 , 」を使用します。

補足として、先行詞が数量詞の場合には、「which」ではなく「that」を使います。

数量詞とは、「all」「everything」「something」などの数を表現する単語や句のことです。

 

まとめ

今回は、関係代名詞「which」と「that」についてご紹介いたしました。

英語上級者の方でも迷ってしまうことのあるこの2つの違いを、この機会に是非意識してみてはいかがでしょうか。きっとライティングやスピーキングの際にお役立ていただけるはずです。