そろそろ夏休みの計画を立てる時期ではないでしょうか。ドリル・日記・自由研究など盛りだくさんの宿題に今から憂鬱になっている方もいらっしゃるかもしれません。日本では当たり前の宿題ですが、実は海外では非常に珍しいもの。では、日本と海外の夏休みにはどんな違いがあるか、見てみましょう。
宿題なし!期間も長いアメリカやヨーロッパの夏休み
アメリカやヨーロッパは6月上旬~8・9月と、2~3ヶ月間も休みがあります。これほど長い休みにもかかわらず、
登校日も部活もありません。6月に休みがはじまったら、新学期が始まるまで、学校は完全クローズ。
この点は日本との大きな違いですよね。子どもたちはサマーキャンプに参加したり、家族と旅行に出かけたりと自由気ままな夏を満喫します。
さらに驚くのは、宿題です。これほど長い休みにもかかわらず、宿題を出す学校は少数派です。読書を推奨する学校は多いようですが、問題集やプリント学習を手渡す学校はほとんどありません。また日本のような受験戦争がないため、塾通いもありません。夏の期間に、机に向かう“勉強”の時間は明らかに日本の事情とは違うのが分かりますね。
宿題もない長い夏休みの間に、欧米の子どもたちは何をしているのか、少し不思議ですよね。
ヨーロッパでは、大人たちの夏休みも長いのが特徴的です。1ヶ月程度休むので、家族でキャンプに行ったり実家に戻ったりなど、子どもの面倒をみられる家庭が多いとされています。
一方のアメリカでは、大人の夏休みは2週間程度。日本人からしたら十分に長い夏休みですが、ヨーロッパと比較すると半分程度と短く、子どもと一緒にできること・面倒を見られる範囲も限られてしまいます。そのため、アメリカでは子どもを集めて遊ばせたり、習い事(スポーツ・科学・ダンスなど)をさせたりする「サマーキャンプ」を多くの家庭が利用しているようです。
フランス流の夏休み
ヨーロッパの中でもフランス流の夏休みをご紹介します。
日本でもよく見聞きする「ヴァカンス(vacances)」。フランス語で「休暇」、フランス流の休暇の過ごし方を言います。フランスでは、年間5週間の有給休暇が法律で保障されており、余暇を大切にする国として知られています。
やはり夏に休暇を取得される方がほとんどで、子どもの学校が休みに入る7月~8月に親も休暇を取って、共に過ごすのが定番のようです。日本でもお盆には、多くの人々が夏休みを取って家族と過ごしますが、フランスは規模が違います。
職業や立場に関わらず、徹底的に休むのがヴァカンス。8月には、個人経営のお店やレストランなどが休業したり、多くの人々が地方や国外へ出かけたりします。ある統計によると、8月は40%の企業が休業、パリのパン屋さんの半数も休業するそうです。日本では、夏休みの時期も多くのお店は開いているので、生活に不便を感じることは余りありませんよね。
学校も長期休暇となり、宿題もありません。子ども達は時には体験型施設やスポ-ツ活動に参加して過ごすこともあるようです。
オーストラリアの夏休みは12月~2月
南半球のオーストラリアでは日本と季節が逆で、夏は12月に始まって2月までです。そのうち12月半ばから1月末の約6週間が夏休み期間です。オーストラリアの学校は1月に新学年が始まって12月に終わり、秋休みから冬休み、春休みと続いて、新学期が来る前の一年の締めくくりが夏休みとなります。
オーストラリアの夏休みも学校の宿題はありませんので、子どもたちは夏休みの間、遊び放題です。さらにすごいのは、年末の繁忙期は航空券やホテルが割高になるため、学期最終日の数週間前から学校を休んで早めに休暇へ出かける生徒も多いようです。もちろん学校を休むのは推奨されないので、学校によっては事前に校長先生の許可が必要ですが、大抵は許可がもらえるようです。
夏休みの時期は大人もクリスマス休暇や有休を合わせて2~3週間の休みを取り、家族旅行に出かけたり、キャンプしたり、遠くの親戚を訪ねたりします。
オーストラリアでは有休の完全消化が当たり前で、有休を残す部下がいると上司の査定にマイナスなので、逆に上司から有休を勧められるほどです。なのでまとめた休みを取るのもスムーズ。同僚の間で休む時期をお互いに調整することはあっても、休みを取れないことはまずないようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。日本の夏休みは海外から見たら少し特殊なのかも知れません。宿題がなくて期間が長いと、気楽で良さそうにも見えますが、文化や制度の違いがあるので一長一短があると思います。諸外国の夏休みの過ごし方も参考にしつつ、より有意義な夏休みが過ごせると良いですね。