海外で車を運転すると世界各地には色々なルールがあり、日本人としては驚くこともたくさんあります。今日は、日本では非常識ですが、世界のある場所ではごく当たり前の“驚きの交通ルール”をご紹介します。
1.アメリカは赤信号でも「右折」ができる
日本の交差点では、前方の信号が赤ならば(矢印信号が出ているときや特例的に右左折可の交差点を除いて)車を前へ進めることができません。しかし、アメリカでは赤信号でも右折(右側通行なので日本の左折に相当)が可能。まずは一時停止をして、しっかりと安全を確認してから曲がらなければいけませんが、合法的に右折ができます。
赤信号で右折してはいけない交差点だけ、信号の脇に「NO TURN ON RED(赤信号で曲がるな)」という標識がついていて、標識のない交差点は赤信号でも右折OKです。日本の感覚で右折の信号待ちをしていると、後ろから「プッ!」とクラクションを鳴らされてしまうかも知れません。
2.乗降中のスクールバスがいたら必ず停車
前方にバスが止まっていたら安全を確認して追い越す、というのが日本の常識ですが、アメリカで運転する時には、停車中のスクールバスには要注意です。
なぜなら、子どもが乗り降りするために「STOP」のマークを出して停車しているスクールバスがいたら、後続車は最低25フィート(約7m)離れて待っていなければいけないからです。車線が複数ある場合や、対向車線(中央分離帯がある道路を除く)を走る車も同じです。理由はもちろん、子どもたちの安全を守るためです。もし、うっかりバスの横を通過してしまったら警察に通報される可能性が高いので、くれぐれも注意が必要です。
3.踏切での「一時停止」はしない
踏切を超えるときは、直前で一時停止をして安全を確認しますよね。しかし、海外ではその必要はありません。というか、やってはいけません。一般的な乗用車に一時停止の義務はなく、逆に止まるべきではない場所で停車することで後続車から追突される可能性があるので、かえって危険です。
踏切で一時停止する義務がある国は、日本のほか韓国など、きわめて少数派のようです。踏切では止まらないのが世界のスタンダードなのです。日本人は踏切前での一時停止が染みついているので、海外で運転するときは気を付けましょう。
4.ドイツでは高速道路は速度無制限
ドイツには「アウトバーン」と呼ばれる高速道路がありますが、その特徴は“速度無制限区間”があることです。つまり、時速200キロでも300キロでも合法なのです(推奨速度は時速130キロ)。ただし、アウトバーン全線が速度無制限ではなく、状況にあわせて速度規制区間もあります。
5.渋滞時は道を開けて止める
アウトバーン(高速道路)も渋滞することがありますが、その際はちょっと不思議な光景に出会います。渋滞で停止する際は、2車線区間なら左右車線の真ん中、3車線区間なら一番左の車線と中央車線の間をしっかりと開けて車を止めるのです。その理由は、緊急車両を通すためで、たとえ後ろに緊急車両がいなくても、止まるときは緊急車両の通路を確保することがルールです。
6.路駐は合法
ドイツをはじめヨーロッパへ出かけると、市街地の道端に路上駐車をたくさん見かけることに驚きます。もちろん、合法です。なぜなら日本とは違い、欧米では道端に車を置くことを前提に街づくりが成り立っているからです。もちろん駐車禁止の場所もありますが、それはしっかりと守られるのが欧米流です。幹線道路は駐車禁止、裏道は路駐OKというメリハリがついている状況です。
7.フランスはワインを飲んでも運転してよい!?
フランスは日本に比べると飲酒運転の基準が緩いです。日本では呼気中アルコール濃度が0.15mg/l以上で飲酒運転になりますが、フランスでは0.25mg/l以上になっています。フランスはワインが有名なこともあってか「男性はワイン2杯、女性は1杯までなら運転可能」と言われています。
8.タイは渋滞対策で反対車線を走らせる
首都バンコクでも渋滞は大きな問題になっていますが、ときどき驚きの光景を目にします。
複数車線の道路の車線をひとつ、逆方向のために使うのです。工事しているわけでもないのに、この光景にはびっくりしますね。中央分離帯のある高速道路でもやっているのには本当に驚きます。その理由は、渋滞対策です。たとえば朝の通勤ラッシュ時は、都心方向へ向かう車線を増やして渋滞を緩和しようとしている訳ですね。
9.中国は歩行者よりも車優先
中国では歩行者より車優先という意識が強く、横断歩道に人がいようがスピードを緩めることはなく、反対に歩行者が車を気にして行動しないといけないという風潮になっています。中国へ行く際は事故に気を付けましょう。
因みに中国でもアメリカ同様に赤信号でも右折が可能です。都市によっては禁止されている場所もありますが、基本的には問題ないようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。こうしていろいろな国の交通ルールを見ていくと、日本の常識が世界の常識とは限らないことがわかります。
国によって交通ルールに対する考え方が全く異なりますね。知らないと怖いことも多いです。もし海外で運転する機会があれば、ルールの異なる部分に注意して運転しましょう。