TPR (Total Physical Response) からみる効果的な学習方法
皆さんは、「TPR (Total Physical Response)」をご存知でしょうか?TPRは、英語のトレーニング方法の1つで、英語で命令文を聞き取り、全身を使って指示に反応するという訓練方になります。
今回は、効果的に楽しく学習が進められると言われている、このTPRについてご紹介します。
インプット量を増やす方法として、言語心理学者James J. Asherによって提唱されたTotal Physical Response(TPR)が挙げられます。
日本語では、全身反応教授法などと訳されます。
TPRは、リスニング優先の学習法の一つで、英語を聴いて身体的動作と連合させることにより言語の定着を目標とするものです。
TPRでは、”Stand up. “, “Walk around. ” ,”Raise your hand.” などのような、先生から口頭で示された命令の意味を判断して、動作に表していきます。
このアプローチは幼児が母語を習得する方法に見習っています。(Asher, 1969)
つまり、母国語を習得するのと近いプロセスで英語を学ぶことができるのです。
また、命令文を聞くということは、動詞中心の言語活動が続くので、文の構造や予測文法が身に付くという効果があります。(白井泰弘, 英語教師のための第二言語習得論入門, 2016)
TPRは子供向きの学習法という印象もあるかと思いますが、実は研究によるとTPRで第二言語を学んだ場合、子供よりも大人に用いたほうが効果的であるとされています。(Asher & Price,1967)
YouTubeにTPRに基づいて体を動かしながら英語を学べる動画が沢山あるので、是非活用してみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、日本語で「全身反応教授法」と呼ばれてるTPR(Total Physical Response)の学習効果についてご紹介しました。TPRは、子どもはもちろんのこと、あらゆる年齢、英語レベルの人に対して行うことができる効果的な英語の指導法です。体を動かしながら、楽しく英語を学ぶことができます。一度、TPRを英語学習に取り入れてみてはいかがでしょうか?
【関連記事】
インプットを重視した指導法「Structured input」を取り入れたトレーニング