あなたは「あそこに猫がいる」と表現するとき、主語は何にすれば良いのか戸惑ったことはありませんか?
「cat(猫)」が主語?実はこんな時に「There is 構文」を用いることができるんです。
今回は、この「There is 構文」についてご紹介いたします。
「There」とは
皆さんは、「There」という英単語を聞いた際、どのような使われ方を思い浮かべますか?
「There」は、「あそこ」というように場所を表す副詞として使われるだけでなく、「〇〇がある / ない」を表す「There is 構文」でも用いることができます。
場所を示す副詞のThereと、There is 構文に用いられるThere。
この両者の働き(持つ意味)は異なります。
これらは、「Place Adverb」(場所を表す副詞)と「Existential There」(There is 構文)と呼ばれ区別されています。
「There is 構文」が表す意味
There is 構文は、「誰かがいる / いなかった。」「何かがある / なかった。」というように、「存在」を表現する際に用いられます。
まずは、例文をみていきましょう。
・There is John.(ジョンがいる。)
・There is something I need to tell you.(あなたに伝えなければならないことがある。)
・There weren’t any apples on the tree.(木にはリンゴが全くなかった。)
・There have been discussions concerning their new product.(新しい商品について、今まで討論が重ねられてきている=討論があり続けている。)
・Was there a storm last night? (昨晩嵐がありましたか?)
このように、There is 構文は人や物体の存在を表すことに加え、情報や討論など手にとって見えないものの存在を伝える際にも用いられます。
上記の例文を見て、なぜ「There」が「あそこ」というように訳されていないか疑問に思った方は、
There is 構文の「There」は、場所を表す副詞の「There」と異なるという点にご注意ください。
「あそこ」というように、場所を示したい場合は、下記例文のように副詞としての「There」を用いる必要があります。
There is a parking space there.(あそこに、駐車スペースがある。)
こちらの例文の場合、文頭に用いられた「There」は、There is 構文です(=〇〇がある)。
文末の「There」は、場所を表す副詞になります(=あそこ)。
もし仮に、There is 構文の「There」 に「あそこ」という意味が含まれるとしたら、文末で再度「There」を用いる必要はないはずですね。
このことからも、場所を表す副詞の「There」とThere is 構文の「There」は、それぞれ異なる働きをするということを覚えておきましょう。
文法構造
次に、There is 構文の文法構造を見ていきましょう。
There is 構文の基本は、「There + be動詞 + 名詞」という並び方です。
文頭にThereが用いられます。その後にbe動詞、そして名詞が続きます。
注意するべき点は、be動詞についてです。
There is 構文におけるbe動詞は、後に続く名詞の要素(※単数形か複数形か)の影響を受けて変化します。
またbe動詞は、時制や否定形などの要素に合わせて変化します。(時制が現在完了形の場合、be動詞ではなく、Have / Hasが用いられます。)
それでは、「リンゴがある。」という文章を例に、There is 構文の文法の変化を見ていきましょう。
●現在形: There + be動詞(現在形)+ 名詞
・【単数形】There is / isn’t an apple in the fridge. 冷蔵庫にリンゴがある / ない。
・【複数形】There are / aren’t apples in the fridge. 冷蔵庫にリンゴが(複数)ある / ない。
●過去形: There + be動詞(過去形)+ 名詞
・【単数形】There was / wasn’t an apple in the fridge. 冷蔵庫にリンゴがあった / なかった。
・【複数形】There were / weren’t apples in the fridge. 冷蔵庫にリンゴが(複数)あった / なかった。
●現在完了形: There + have / has been + 名詞
・【単数形】There has / hasn’t been an apple in the fridge. (継続してずっと)冷蔵庫にリンゴがある / ない。
・【複数形】There have / haven’t been apples in the fridge. (継続してずっと)冷蔵庫にリンゴが(複数)ある / ない。
●質問形(現在形 / 過去形): be動詞 + There + 名詞?
・【単数形】Is / Was there an apple in the fridge? 冷蔵庫にリンゴがある? / あった?
・【複数形】Are / Were there apples in the fridge? 冷蔵庫にリンゴが(複数)ある? / なかった?
●質問形(現在完了形): Have / Has + There + been + 名詞?
・【現在完了形 / 単数形】 Has there been an apple in the fridge? (継続してずっと)冷蔵庫にリンゴがある?
・【現在完了形 / 複数形】 Have there been apples in the fridge? (継続してずっと)冷蔵庫にリンゴが(複数)ある?
まとめ
いかがでしたでしょうか。
There is 構文は、物や人の存在の情報を伝える際に使われます。
基本的な文法は「There + be動詞 + 名詞」という並び方となり、be動詞の形は時制などの要素により変化します。
There is 構文は日常使える便利な表現なので、早速使ってみてはいかがでしょうか。