英語と日本語の最大の違いの一つに音声・音韻があります。
日本語は「Lexical Pitch Accent」言語に分類され、「ピッチ」と呼ばれる高音を単語の最初(頭高)、真ん中(中高)、最後(尾高)のいづれかに割り振る、もしくは全くピッチを割り当てない、の大きく4パターンで語を区別しています。
例えば「牡蠣」、「柿」、「垣」は発音自体は全て同じでも、ピッチの位置がそれぞれ異なることがお分かりいただけると思います。
一方英語は「Lexical Stress Accent 」言語です。ピッチのような高音ではなく、強勢(ストレス)を割り当てることで語を識別します。ストレスを受けた音節は他より強く、大きく、長く発音される傾向があり、音域に高低差がある場合もあります。
英語ではこのストレスの位置が変化すると名詞や形容詞が動詞になったり、単語の意味そのものが変化するパターンも多くあります。
今回は、このような単語をご紹介いたします。
※厳密には英単語におけるストレスは1つではなく、同語内に第1強勢、第2強勢等が存在する場合がありますが、ここでは便宜上、最も重要な第1強勢を大文字で表記しています。
単語 |
名詞/形容詞の ストレス位置 |
動詞の ストレス位置 |
addict |
ADD-ict |
add-ICT |
abstract |
AB-stract |
ab-STRACT |
address |
ADD-res |
add-RESS |
attribute |
AT-tribute |
at-TRIBUTE |
conflict |
CON-flict |
con-FLICT |
contest |
CON-test |
con-TEST |
contrast |
CON-trast |
con-TRAST |
convert |
CON-vert |
con-VERT |
decrease |
DE-crease |
de-CREASE |
import |
IM-port |
im-PORT |
increase |
IN-crease |
in-CREASE |
insult |
IN-sult |
in-SULT |
perfect |
PER-fect |
per-FECT |
permit |
PER-mit |
per-MIT |
present |
PRES-ent |
pre-SENT |
produce |
PRO-duce |
pro-DUCE |
protest |
PRO-test |
pro-TEST |
reject |
RE-ject |
re-JECT |
record |
RE-cord |
re-CORD |
suspect |
SUS-pect |
sus-PECT |
conduct |
CON-duct |
con-DUCT |
console |
CON-sole |
con-SOLE |
converse |
CON-verse |
con-VERSE |
default |
DE-fault |
de-FAULT |
project |
PRO-ject |
pro-JECT |
subject |
SUB-ject |
sub-JECT |
object |
OB-ject |
ob-JECT |
まとめ
いかがでしたでしょうか?「Lexical Pitch Accent」言語である日本語話者である我々にとって、英語の「Stress Accent」が難しいと感じるのは、言語学的な理由があるのかもしれませんね。
これは、母語に無い特徴を新たに学習しているため至極当然のことです。しかしながら、例えば「desert」は、「DE-sert」と発音すれば「砂漠」、「de-SERT」と発音すれば「見捨てる」という全く異なる意味になることもあるため、円滑なコミュニケーションの為には、やはり単語学習の際に発音やアクセントも忘れずにマスターしておきたいですね。