カメラを向けられるとピースサインをする日本人は多いと思います。
私たちは日常のコミュニケーションで、そうしたハンドサインをごく自然に使用していますが、国や文化が違うとその意味合いがまったく異なるために通じなかったり、下手をすればトラブルを招いてしまう可能性もあります。
今回は、海外ではどのようなハンドサインがどんな意味合いで使われているのかをご紹介します。
勝利を表わすハンドサイン-ピースサイン
手のひらを外に向けた一般的なピースサイン。私たち日本人には平和をアピールするサインとしてお馴染みですが、欧米では勝利(Victory)のVを意味するサインとしても使用されています。
しかし、そんなピースサインもギリシャでは「くたばれ」というネガティブな意味となってしまうので注意が必要です。
OKを表わすハンドサイン
親指と人差し指で丸を作り、3本指を立てるサインです。海外で有名なこのOKサインは、国によって意味がかなり異なってくるので注意が必要です。
アメリカでのOKサインは、白人至上主義のシンボルに使われるようになり、元の意味より人種差別の意味に解釈されることも増えてきています。したがって、OKサインを海外で使用するのは、控えるようにしましょう。
また、このサインはフランスでは、「ゼロ」を意味し、「お前は無能だ」という意味にもなり、相手に対して侮辱を意味する大変失礼なサインです。
オーストラリア・イギリス・南アフリカでは卑猥や屈辱的な意味にとられますし、ドイツ・ブラジル・ロシア・ギリシャ・トルコでは性的な意味を表すので、OKのハンドサインを使用するときは、使う国を間違えないようにしましょう。
全体的に海外でのOKサインは、ネガティブに捉えられることが多く、侮辱や屈辱的な意味が強いので、使用するのを控えた方がいいかも知れないですね。
Goodを表わすハンドサイン
Facebookの「イイね」ボタンでも使用されている拳を握った状態で親指を立てたハンドサインは、男性を意味する他、西洋を中心に「Good!」「OK!」を意味するサインとして幅広く使われています。
しかし、イタリアやギリシャなどのヨーロッパの一部、イランやアフガニスタンなどの中東諸国の一部では、性的に相手を侮辱する不快なハンドサインとされていますので、注意が必要です。
「幸運を祈るよ」を表わすハンドサイン
人差し指と中指をクロスさせたハンドサインは日本人にはあまり馴染みがないですが、英語圏では「Good luck!(幸運を祈っているよ)」を意味するサインとして非常に有名です。
会話の中でも相手の成功を祈る時に「幸運を祈るよ」「がんばってね」を意味するフレーズとして「I’ll keep my fingers crossed」がよく使われます。
また何か事実と反することを言う時に、「嘘だよ」とジョークじみた意味合いでも使われるようです。ちなみにベトナムでは相手を侮辱する卑猥な表現になるようなのでご注意ください。
「まあまあだね」を表わすハンドサイン
手のひらを少し広げた状態で下に向け、左右にひっくり返すように軽く揺らすハンドサインです。日本人には馴染みがないですが、ネイティブは日常生活で多用しています。このサインの意味は「良くも悪くもない」、すなわち日本語の「まあまあ」、英語で言うところの「so-so」にあたります。したがって、何とも言えない微妙な表情と共に用いられることが多いです。
「How are you?(調子はどう?)」や「How was the movie you saw yesterday?(昨日の映画はどうだったの?)」などと聞かれてこのハンドサインを使うと、「まあまあだったよ」とジェスチャーだけで伝えることができます。
誰かの発言を引用するときに使うハンドサイン
顔の横で両手でピースサインを作り、指を折り曲げて「クイックイッ」としているのを、海外ドラマなどでよく見る人も多いのではないでしょうか。こちらも英語圏の人たちがよく使うハンドサインの一つで、英語では「Air quotes」と呼ばれています。quotesとは”quotation marks”のことを指し、日本語の『 』にあたります。
このAir quotesは、誰かの言葉や書籍の中の言葉を引用したり強調するとき、皮肉やからかいの意味合いを込めて誰かの発言を引用するときに使われるのが一般的です。
あっちに行けという意味のハンドサインー手招き
日本人は「こっちにおいでよ」の意味で手招きするときに、手のひらを下に向けて指を曲げ伸ばししますが、欧米圏では「あっちにいけ」という真逆の意味になってしまいます。欧米圏で手招きするときは、手のひらを上に向けて、指や腕を手前に曲げるようにしましょう。
自分を指すハンドサイン
私たちは自分を指す示すときに、人差し指を自分の鼻先に向けたりしますね。実はこれは海外の人からみれば不思議なんだそうです。欧米では自分を指すときに、グーをした状態で親指を立て自分の胸を指します。また、胸に手をあてて自分を表現することもあります。
「やめたほうがいいよ」を表わすハンドサイン
手のひらを下に向けて首の前で左右に振るジェスチャーをドラマや映画などで見たことはありませんか。これは「やばいよ」「まずいよ」「やめたほうがいいよ」という意味を表現しています。
例えば、話し相手がAさんの陰口を言っているときに、相手の後ろからAさんが現れた。でも相手はそれに気付いていない…。そんな時に直接「ヤバい」と伝えることはできないので、このジェスチャーを使って相手に状況を伝えたりします。
「見ているからね」「悪いやつだね」を表わすハンドサイン
人差し指と中指でVサインを作り自分の目を指した後に相手の目の方を指すハンドサインです。こちらは「ちゃんと見ているから」「悪いやつだね」といったイタズラな意味を表現しています。「I’m watching you」と言った感じです。
またイギリスなどの国では、人差し指で鼻をトントンと2回叩くことで同じ意味を表す場合もあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ハンドサインはとても伝達に便利な方法ですが、意味をきちんと理解していないと大変なことになりかねません。特に海外では同じハンドサインであっても意味が異なることがあるため、注意が必要であることをご理解いただけましたでしょうか。海外でのハンドサインに意味を理解している自信がない場合は、できる限り使わない方が良いかも知れないですね。