あなたは、英語の「仮定法」という用法を自信を持って説明できますか?
今回は、仮定法の中でも苦手意識をお持ちの方が多い「仮定法過去」についてご紹介していきます。
それぞれの英語の仮定法とは?
現実には起こらないけど、起こったらいいなという時に使うのが仮定法です。
例えば、たまたま宝くじに当選した時に「もし宝くじに当選したら、この車を変えるのに」いう時の表現方法に仮定法が用いられます。
つまり、仮定法は「現実には起こらない仮想と願望」を表現する際に使用します。
仮定法の基本ルール
早速ですが、仮定法の基本ルールを見ていきましょう。
現在の事実に反する願望・仮想 ⇨ 過去形で表す
これは、「仮定法過去」になります。つまり、仮定法過去は仮定法の基本形になる用法となります。
過去の事実に反する願望や仮想を表すときは、完了形を使用します。これは、「仮定法過去完了」という文法の用法になります。
仮定法は非常に範囲が広く今回の記事で一度に説明することが困難であるため、今回は「仮定法過去」に絞ってご紹介いたします。
仮定法過去
現在の状況から、「こうだったらいいな」と言った願望や仮想など非現実的な話をする場合に用いられます。
仮定法では、時制を過去形にするというのが基本ルールになります。
まずは、仮定法過去の基本的な例文を見ていきましょう。
If I had enough money, I would buy this house. – もし私が充分なお金を持っていたら、この家を買うだろう。
例文のように、仮定法の基本的な形は「if節」と「主節」の2つの節を用います。また、仮定法の主節では、例文にある「would」といった助動詞の過去形を使います。助動詞の過去形を用いる際には、「助動詞の過去形+動詞の原形」という形になるので、こちらもあわせて覚えておくと便利ですね。
当記事のタイトルになっている「I wish I were〜」の形式の仮定法過去は、仮定法過去の一般的な形「if節」は動詞の過去形、主節は「助動詞の過去形 + 原形」に当てはまりません。
これは、一体どのような場合に用いられるのか、みなさん想像ができていますか?
以下で答え合わせをしてみましょう。
仮定法の「wish」
この「wish」も仮定法を用いる際に大変頻出な表現です。「実現しないであろう願望」への表現方法になります。「こうだったらいいのにな。」というニュアンスを表現する際に用いられます。
「~だったら」という願望は、現実には起こらないだろうという憶測が前提としてあります。
それでは、例文を見ていきましょう。
I wish I were a rich man, I would buy this house. – もし私がお金持ちだったら、この家を買うだろう。
これは、仮定法過去の基本形の例文として先述した以下の文と、同じ意味になります。
If I had enough money, I would buy this house. – もし私が充分なお金を持っていたら、この家を買うだろう。
このように「wish」は基本形の応用としても使うことが可能です。
しかし、「wish」の後に、なぜ主語が「I」なのにも関わらず、「was」ではなくて「were」を使っているのでしょうか?
一見誤りに見えますが、これは文法的なルールでこのように決まっています。「I」だけではなく、三人称単数の「it」、「he」や「she」を用いる際にも、この場合「were」を使います。
これは、昔、動詞の過去形「was」がなく、「were」しか存在しなかったというのが理由だそうです。仮定法過去に限定してこのようなルールがあるのはなんともややこしいですが、古い時代では、be動詞の過去形は全て「were」を使っていたという歴史的背景があるんですね。
しかし、ネイティブスピーカーは口語的に「was」を使うことも多々あります。文法的には「were」とするのが正しいので、文面などで使用する際は注意しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、多くの人が躓きがちな文法の用法「仮定法過去」についてご紹介しました。
仮定法を使わなくても最低限のコミュニケーションは可能ですが、仮定法が使えるようになるとより表現の幅が広がりますね。
この機会に、是非仮定法をマスターしてみてはいかがでしょうか。