どれだけ勉強しても、ネイティブスピーカーレベルの語学力を身に付けるのは難しいものですよね。
「翻訳しなきゃ」「文法が間違っていないか不安」「間違えたら恥ずかしい」などの意識が邪魔をして、英語を話す時にどうしても不安を抱えてしまいがちですよね。
その不安が、思い切り英会話をするという動作の妨げになることもあります。
みなさんは、「お酒が飲むと英語がいつもより話せる」という一説を聞いたことがありますか?もしかしたら、既に実感されたことのある方も少なくないかもしれません。
今回は、この説についてご紹介いたします。
情意フィルター説
第二言語習得研究の第一人者である学者:スティーヴン・クラッシェン氏が提唱している「情意フィルター仮説」では、“心理的なハードルを抱えていると言語習得が遅くなる。この結果、自信のなさ、モチベーションの低下、不安感につながる。”
このネガティブな感情 “情意フィルター” が、いかに第二言語習得に影響を及ぼすかを説明した仮説です。
ここでは、以下のように説明されています。
「理解可能なインプットは第二言語習得に「必要」だが、それだけでは「十分」ではなく、習得者がインプットに対して「開かれて」いる必要がある。そして、この “情意フィルター” は理解可能なインプットを活用する「妨げ」となり、情意フィルターが高まると習得が起こらない。」
そして、「動機」と「自信」の感情があればあるほど “情意フィルター” は低くなり言語習得に成功しやすくなる一方、「不安」が強いと “情意フィルター” は高くなり、スムーズな言語習得の妨げとなるとしています。
飲酒がもたらすプラスの効果
そこで利用できるのがお酒の力。飲み会の場で、普段よりも饒舌になったり、本音を言いやすくなったという経験はありませんか?
飲酒によるプラスの効果には、「緊張がほぐれる」「楽しい気分になる」「ストレス解消・緩和」などがあるそうです。
例えば、プレゼンテーションや会議の場では周囲の目が気になり、緊張する状況となります。これにより、リスニング力、スピーキング力に支障がでやすくなります。
一方、お酒の力を借りている場合、緊張がほぐれ、このような支障が出にくくなることがあります。
また、「合っているかな」「間違っていないかな」などといった英語を話すときの不安が緩和され、心理的ハードルが下がります。この結果、いつもより上手に話せるように感じるということもあります。
また、飲酒により自然と普段より声が大きくなり、相手も聞きやすくなるということもあるかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?英語力向上のカギは、お酒自体ではなく、ズバリ「自信!」です。お酒を飲むと、緊張や不安が軽減され、上手に話せるように感じますが、飲酒により知識やスキルが向上するということはありません。間違えることや失敗を気にしすぎずに、どんどん話をしてみることが大切です。
「決して諦めない!」「間違えてもいい!」「失敗から学ぶ!」という考え方は、英語力を向上させるためには大変重要なことかもしれませんね。