みなさんは、「使役動詞」という言葉を聞いたことはありますか?
使役動詞とは、「~させる」いう意味を持つ動詞であり、「make」「let」「have」「get」などがあります。
使いこなせるようになると、大変便利なこの使役動詞。日本語にはない用法であるため、マスターするまでは少し混乱してしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、今回は使役動詞「make」「let」「have」「get」についてご紹介いたします。
使役動詞とは
そもそも使役動詞とは一体何でしょうか?
人やものに「~させる」「~してもらう」という意味の動詞で、使役動詞には、「make」「let」「have」「get」の4つがあります。それぞれの動詞で意味合いが異なるため、これらを時と場合によって使い分ける必要があります。
「make」
使役動詞の「make」は、以下のように用いられます。
make+目的語+原型不定詞(do) - 人に何かを(強制して)させる。
例文を見てみましょう。
My mom made me do homework as soon as I get back to home. – 私が家に帰るとすぐに、母は私に宿題をさせた。
受動態で使役動詞「make」を使う場合には、以下のようになります。
be動詞+made+to+動詞の原型(do) – 人に何かを(強制して)させられた。
例文をみてみましょう。
I was made to do homework by my mom. – 帰宅してすぐに、母は私に宿題をさせた。
受動態で使役動詞の「make」を用いる場合、「to」が動詞の前にくることに注意が必要です。
「let」
使役動詞の「let」は、以下のように用いられます。
let+目的語+原型不定詞(do) – ~に~させる。
「let」には、「~に~をさせる」という意味の中に、「~に許可を与えてやらせる」というニュアンスがあります。
例文を見てみましょう。
My dad let me drive his car. – 私の父は、私に父の車を運転させてくれた。
「make」で用いた例文で、「make」を「let」に置き換えてみると以下のようになります。
My mom let me do homework as soon as I get back to home. – 私が家に帰るとすぐに、母は私に宿題をさせてくれた。
「let」を用いた場合、「宿題をするのを許可してくれた」というニュアンスになります。
「have」
使役動詞の「have」は、以下のように用いられます。
have + 目的語 + 原型不定詞(do) – 「~に~させる/~に~してもらう」
「have」には、「~に~をさせる」という意味の中に、「~に~をしてもらう」というニュアンスがあります。
例文を見てみましょう。
I had him cook dinner last night because I had a fever. – 昨日熱があったので、彼に晩御飯を作ってもらいました。
過去分詞と一緒に用いる使役動詞「have」
使役動詞「have」は、目的語の次に動詞の現在形だけではなく、過去分詞を置くことができます。
have+目的語(人以外)+過去分詞(done)
使役動詞「have」を過去分詞と一緒に用いた場合、以下3つの意味のいずれかになります。文面によって意味が異なるため注意が必要です。
①使役「~をしてもらう」
②被害「~を~される」
③容認「どうしても~される」
以下例文を見てみましょう。
①使役「~をしてもらう」
I am going to have my phone fixed tomorrow. – 私は明日携帯を直してもらいます。
②被害「~を~される」
I had my wallet stolen at the cafe. – 私の財布はカフェで盗まれました。
③容認「どうしても~される」
He already had the box opened when we arrived. – 私たちが到着した時には彼はすでに箱を開けてしまっていた。
「get」
「get」は、文法上、使役動詞ではありませんが、以下のように用いることで使役動詞と同じ役割を果たします。
get+目的語+to不定詞 – 「~に~させる/~に~してもらう」
使役動詞の「have」と同じ意味で用いられることが多いですが、「get」を用いた場合は「have」よりもカジュアルな表現になります。
以下の例文を見てみましょう。
I got my son to practice baseball. – 私は息子に野球に練習をさせた。
過去分詞と一緒に用いる使役動詞「get」
「get」も、「have」と同様に過去分詞と一緒に用いることができます。
過去分詞と一緒に用いる場合、目的語の後に「to」が不要である点に注意が必要です。
have+目的語(人以外)+過去分詞(done)
①使役「~をしてもらう」
②被害「~を~される」
③容認「どうしても~される」
以下例文を見てみましょう。
①使役「~をしてもらう」
I am going to get AC fixed tomorrow. – 私は明日エアコンを直してもらいます。
②被害「~を~される」
I had my bike broken while studying at the library. – 私の自転車は図書館で勉強している間に壊されました。
③容認「どうしても~される」
He could not get his work done today. – 彼は今日の業務を終わらせることができなかった。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、使役動詞「make」「let」「have」「get」についてご紹介いたしました。
一口に使役動詞と言ってもそれぞれニュアンスが異るため、状況や伝えたいことによって使い分ける必要があります。また、同じ用法であっても文面によって意味が変化することもあるため注意が必要ですね。マスターしてしまえば、大変便利な使役動詞。この機会に是非学んでみてはいかがでしょうか。