「~前に」という意味の「ago」と「before」。日本語に訳すと両者同じような意味になりますが実はニュアンスの違いがありそれぞれ使い分ける必要があります。
今回は「ago」と「before」についてご紹介いたします。
文法的な違い
「ago」は副詞です。
(名詞に伴い副詞句をなして)今から~前に
「before」は前置詞または副詞として用いることができます。
1.よりも前
2.~分/時間前
3. 先に、以前に;その時までに
参考:「新英和大辞典」
※beforeは「とき・時間」以外にも「位置・場所」を表す場合にも使えますが、今回は「とき・時間」を表す場合についてご紹介いたします。
実際何が違うの?
ずばり違いは「基準となる時制」です。いつから見て「~前」なのかということです。
【ago】の基準となるのは「現在」です。
I met her two weeks ago.
彼女に二週間前に会いました。
この場合「two weeks ago」とは「現在から二週間前」ということです。
一方【before】は「ある時点」が基準です。
つまり基準はその時によって違います。
それに伴い、時制も過去完了形を使うことがあるので注意が必要です。
I had met her two weeks before she left the states.
彼女がアメリカを去る二週間前に会いました。
この場合「two weeks before」とは「彼女がアメリカを去る時点から二週間前」ということです。
また【before】は単体で「以前」という意味で使うこともできますし、前置詞として「~の前に」という意味としても使えます。
以下、合わせて例文を見てみましょう。
I’ve read the book before.
その本は以前読んだことがあります。
You need to wash your face before breakfast.
朝食の前に顔を洗いなさい。
I can’t believe she arrived before me.
彼女が私より先に到着したなんて信じらません。
Do it before you forget.
忘れる前にやりなさい。
まとめ
いかがでしたでしょうか?「ago」と「before」は日本語では同じように訳されるので違いが分かりずらいと感じている方も少なくないかもしれません。
しかしこれら2つにはそれぞれ「~前」の基準となる時制が違うという明確な違いがあり、使い分ける必要があります。
どちらも馴染みのある単語ではありますが、是非この機会に正しい意味を確認しておくことも大切かもしれませんね。